NISAの成長投資枠で資産全体の「急激な値動きに対する抵抗力(ポートフォリオの安定性)」を高める上でゴールドファンド(金投資信託)を選ばれる方がいらっしゃるかもしれません。
今回は、そのゴールド・ファンドについて少し詳しく知りたいと思っている方向けにまとめてみました。
ゴールドファンドは、株式などの主要な金融資産と異なる値動きをする「非相関性の高さ」が最大の特徴であり、その評価のポイントとなります。
💎 ゴールド・ファンド(金投資信託)の主な特徴
「ゴールド・ファンド」は、主に金地金(現物)や金の価格に連動する上場投資信託(ETF)などを組み込むことで、実質的に金(ゴールド)に投資する投資信託です。
1. 守りの資産としての強み(抵抗力)
■非相関性の高さ:
株式や債券などの主要資産の価格が下落する局面(特に景気後退や金融不安時)で、金は逆に値上がりする傾向があります。これにより、ポートフォリオ全体の急激な下落を緩和する「ヘッジ(保険)」の役割を果たします。
実物資産としての価値:
金は国家や企業の信用リスクがない実物資産であるため、インフレや法定通貨への信用不安が高まる局面で価値が上昇しやすいとされています。
2. NISA成長投資枠でのメリット
■非課税の恩恵:
金投資は配当や分配金がないため、通常は売却益(譲渡益)が主な利益源となります。NISA口座で購入すれば、この売却益が非課税となるため、利益を最大限享受できます。
■手軽さ:
成長投資枠で購入できるゴールド・ファンドは、金地金を現物で保有するのと異なり、保管料や盗難リスクがなく、少額から手軽に投資・換金できます。
📈 他の資産(株式・債券)との比較評価
| 比較項目 | ゴールド・ファンド(金) | 株式(インデックス/成長株) | 債券(先進国国債など) |
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| 主なリターン源 | 価格の上昇(譲渡益) | 企業の成長(譲渡益、配当) | 利息収入(インカムゲイン) |
| 価格変動(リスク) | 中~高(為替、金利、地政学リスクの影響大) | 高(景気動向、企業業績に直結) | 低~中(信用リスク、金利リスク) |
| インフレ耐性 | 高い(実物資産) | 中(業種による) | 低い(金利が上がると価格下落) |
| 景気後退局面 | 強い(「有事の金」として買われる) | 弱い(業績悪化懸念で下落) | 強い(安全資産として買われる) |
| 相関性 | 低い(非相関) | 高い | 低い(ただし金利との関係あり) |
🎯 総合的な評価と活用法
ゴールド・ファンドは、景気後退や地政学的なリスクが高まった際のリスクヘッジとして、あなたのポートフォリオの安定性を高めるのに適しています。
ただし、以下の点に注意が必要です。
1. 利益を生まない資産:
金は株式や債券と異なり、配当や利息といったインカムゲイン(収益を生む力)がありません。
2.値動きの要因:
金価格は、米ドル金利、為替(米ドル/円)、地政学的リスクなどに強く影響を受けます。特に、米国の金利が上昇する局面では、金利がつかない金の魅力が相対的に低下し、価格が下落することがあります。
したがって、評価としては、「資産全体の一部(例:ポートフォリオの5%〜10%程度)を組み込むことで、急激な市場変動に対する抵抗力を大幅に高めることができる」、分散投資の要として非常に有用な商品といえるようです。
いかがでしたでしょうか?
少しゴールド・ファンドについて理解が深まったでしょうか?
ゴールド・ファンドには「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の2種類ありますので後日また記事にしたいと思います。